
アメリカではマクドナルド以上に熱狂的なファンを持つチキン専門チェーン、チックフィレ(Chick-fil-A)が、ついにシンガポールに初上陸しました。場所はBugis+。観光客とローカルが交差するこのエリアに、アジア初の常設店舗としてオープンしています。
これまでポップアップや噂止まりだったチックフィレが、なぜ最初のアジア拠点にシンガポールを選んだのか。その理由と、実際に行く際の攻略ポイントを整理してみます。
まず押さえておきたいのは、これは単なる「新しいアメリカ系ファストフード」ではないという点です。チックフィレは、アメリカでは日曜定休を貫き、顧客満足度ランキングで常に上位に入る、やや異色のチェーンです。その運営哲学やサービス水準を、どこまでシンガポール仕様に落とし込めるかが注目されています。
今回オープンしたBugis+店も、例外なく日曜定休です。シンガポールでは珍しく、ショッピングモール内の店舗でありながら日曜日は完全にクローズします。これは効率重視のシンガポール市場ではかなり思い切った判断で、ブランドの思想を優先した象徴的なポイントと言えます。
店内に入ると、いわゆるアメリカのファストフード店の雑然とした雰囲気はありません。木目を基調にした落ち着いた内装で、中央には大型のコミュニティテーブルが配置されています。壁にはシンガポールの街並みをモチーフにしたアートが描かれ、ローカル色も意識されています。短時間で食べて出る店というより、少し腰を落ち着けて食事をする設計です。
肝心のメニューですが、基本はアメリカ本国と同じ構成です。看板商品のチキンサンドイッチ、スパイシーチキンサンド、ナゲット、ワッフルポテトは健在です。特徴は、衣が厚すぎず、油っぽさが控えめな点で、日本人やシンガポール人にも受け入れやすい味に仕上がっています。
シンガポール店ならではの要素として、ローカル嗜好を意識したスパイシーチリ系ソースが用意されています。辛さは控えめですが、東南アジアらしい風味があり、通常のチックフィレソースとは違った楽しみ方ができます。初回は定番チキンサンドにローカルソースを合わせるのがおすすめです。
どんなメニューがある?

看板商品は、やはりオリジナルチキンサンドイッチです。
単品はS$6.80、ワッフルポテトとドリンクが付くミールセットはS$11.80です。
衣は軽めで、油っこさが抑えられており、ファストフードながら食後の重さが残りにくいのが特徴です。初訪問なら、まずこれを選んで間違いありません。
もう少し具材を足したい人向けには、チキンデラックスがあります。
レタス、トマト、チーズが加わり、単品S$8.00、ミールでS$13.00です。
いわゆるアメリカ的な「盛りすぎ」ではなく、バランス重視の構成なので、日本人やシンガポール在住者にも受け入れやすい印象です。
辛さを求めるなら、スパイシーチキンサンドやスパイシーデラックスも用意されています。
価格帯はS$6.90からS$8.10前後。
辛さは控えめですが、単調になりがちなチキン系メニューに変化をつけたい場合にはちょうど良い選択肢です。
健康志向の人向けには、グリルチキンサンドイッチがあります。
こちらは単品S$9.50、ミールでS$14.50。
揚げ物を避けたい人や、ランチ後に仕事がある人には意外と重宝します。

サイドメニューで外せないのが、ワッフルポテトフライです。
価格はS$4.20前後。
一般的なフレンチフライよりも軽く、ソースとの相性が良いのが特徴です。
チキンナゲットも人気メニューの一つです。
8ピースがS$6.90、12ピースがS$9.60。
友人同士でシェアしたり、サンドイッチと組み合わせてボリュームを調整したりしやすい構成です。
ドリンク類では、レモネード、アイスティー、両者を組み合わせたSunjoyが定番です。
価格帯はS$3.50からS$4.50程度。
甘さはありますが、暑いシンガポールでは意外と飲みやすく感じます。
デザート系では、ミルクシェイクが用意されています。
バニラ、ストロベリー、チョコレート、クッキー&クリームの4種類で、価格はS$6.90。
食後にシェアする前提で頼む人が多い印象です。
チックフィレを語る上で欠かせないのがソースです。
この店舗では、複数種類のソースを追加料金なしで選べます。
定番のチックフィレソース、バーベキュー、ハニーマスタード、ハーブ系ランチソースなどに加え、シンガポール限定のスパイシーチリソースも用意されています。
この限定ソースは、東南アジアらしいチリの風味があり、ナゲットやポテトとの相性が良く、ローカル色を感じられるポイントです。
割引やプロモーションについても触れておきます。
オープン初日には、条件付きでチキンテンダーがS$1になるプロモーションが実施され、大きな話題になりました。こうした派手な割引は期間限定ですが、「最初に話題を作る」というシンガポール市場らしい戦略が見て取れます。
常設の大幅割引は現時点ではありませんが、ソースが無料で選べる点や、セット価格の分かりやすさは、実質的な満足度を高めています。今後、アプリ連動やリピート向けの施策が導入される可能性もありそうです。
攻略のコツとしては、初回は欲張りすぎないことです。
サンドイッチ1種類にポテトとドリンク、ソースを複数試すだけでも、十分に「チックフィレらしさ」を体験できます。2回目以降にナゲットやグリル系を試す方が、印象が良くなりやすいです。
総じて、シンガポールのチックフィレ1号店は、価格、味、ボリュームのバランスが非常に現実的です。ホーカーの代替にはなりませんが、モールランチや軽めのディナーとしては使い勝手が良いポジションに収まっています。
話題性だけで終わらず、リピートされるかどうか。そこが、今後のシンガポール展開を占うポイントになりそうです。

